今年の夏は過去に経験したことがないほどの「酷暑」でしたね。北海道・札幌でもエアコンがフル稼働の夏でした。しかし札幌では10月に入ると、「ようやく涼しさを感じられる季節ですね・・・」を通り過ぎ、一気に冬の訪れを感じる今日この頃です。
今回は、昨年10月下旬の【『燗酒』のすゝめ】のブログに続き、秋の到来を告げる『秋酒:ひやおろし・秋あがり』に関する豆知識とおすすめの日本酒・肴をご紹介します。
「秋酒」とは、「暑い夏を越し、程よく熟成されたまろやかな味わいのある日本酒」の総称です。新米の収穫が終わる秋から冬・翌年の春にかけて仕込んだ日本酒に「火入れ」(加熱殺菌)を行ってから、夏の期間、ひんやりした酒蔵の中で熟成させ、まろやかな味わいを醸し出す季節のお酒です。この「秋酒」は主に「ひやおろし」と「秋あがり」と呼ばれて、各酒造メーカーの商品名にも使われています。
【ひやおろし】
秋から冬・翌年の春にかけて仕込まれたお酒に一度だけ「火入れ」を行い、秋まで貯蔵・熟成してから出荷された日本酒。通年販売される日本酒とは異なり、出荷する前に2回目の「火入れ」(加熱殺菌)を行わずに「冷や(日本酒の温度で常温)」の状態で「卸す(出荷する)」ことから、「ひやおろし(冷や卸し)」と言われています。そのため、フレッシュな味わいを楽しめるのもこの日本酒の魅力です。
【秋あがり】
秋になって程よく熟成されたことで、まろやかな味わいが醸し出された日本酒を「秋あがり」とも呼んでいます。
酒税法上の厳格な定義はなく、「ひやおろし・秋あがり」どちらも「秋酒」・秋に楽しむ日本酒と言えます。
「秋酒」のおすすめの飲み方
・常温(冷や)
名前そのものの飲み方で、まろやかな味わいを楽しめます。
・よく冷やして
爽やかでスッキリとした味わいを楽しみたい場合は、よく冷やすことがおすすめです。
・燗酒
夏を越して熟成された「コク」を楽しみたい方は、燗酒がおすすめです。昨年のブログで紹介した「ぬる燗」(40℃)から「上燗」(45℃)位がベストでしょうか?
お酒の香りが広がり、まろやかな味わいが引き立ちます。
それぞれの味わい方・楽しみ方がありますので、その日の気温や料理に合わせてお楽しみ下さい。
最後に、おすすめの『秋酒』と肴を紹介します。
【北海道産酒】
・高砂酒造㈱(北海道旭川市):「純米酒 国士無双ひやおろし」
・日本清酒㈱(北海道札幌市):「千歳鶴 純米 秋酒」
どちらもひと夏、ゆっくりと熟成させた「まろやかさと旨味」がある「秋酒」です。
【北海道外酒】
・大信州(長野県):「純米吟醸 秋の純吟」
熟れ始めのリンゴ系の吟醸香と芳醇なお米の旨味が広がる「秋酒」
・雪の茅舎(秋田県):「純米吟醸ひやおろし」
純米酒の幅のある味わいと吟醸仕込みならではのきめ細かで上品な酸と香りが調和した「秋酒」
・梵(福井県):「純米吟醸ひやおろし」
気品のある香りが素晴らしく、引き締まった味がキレの良さを発揮した「秋酒」
※地酒専門店 ㈱マルミ北栄商店(札幌市東区)さんの、「酒のマルミおすすめ美酒」から
【おすすめの肴】
1. 秋刀魚の塩焼き
秋の味覚・風物詩と言えば「秋刀魚」が代表格。近年不漁が続いていたサンマ漁ですが、今年は豊漁で大ぶり・脂乗りも良好です。そんな年こそ、「秋酒」と一緒にお楽しみ下さい。今年はお刺身・フライも行けますね!
2. 鮭のちゃんちゃん焼き
鮭と野菜を炒め、仕上げにみそだれとバターをからめて出来上がり。北海道を代表する漁師料理です。シンプルだけど間違いなし!「秋酒」との相性も最高です。
3.きのこ鍋
「きのこ」も秋の味覚の代表格。シメジ、マイタケ、シイタケ、エノキ等々の「きのこ」を醤油だしの鍋で煮込み、お好みで大根おろしを加えたら、もう言うことなし。
言わずもがな「秋酒」との相性は抜群です。
最近は全国の酒蔵で「秋酒」を醸造・販売しています。瓶の裏ラベルにそのお酒の「プロフィール」・特徴を表示していますので、それを見ながら今日の肴に合う「秋酒」を選んでみるのも、日本酒の楽しみ方です。「秋酒」で秋の味覚を満喫しましょう!
『乾杯 🍶』
※画像は、フリー画像および各社HP等からお借りしました。 H.S