2017年2月22日水曜日

エッセでエッセー(富士登山の思いで)【個人通信】

富士山に登りました。
世界遺産に指定されるかなり前の話です。

ことのきっかけは、学生のころ、行事で富士山に登る機会があったのですが、ある事情により行くことが出来なくなり、それが、ずっと心に引っかかっていました。
卒業してからは、山など登ることは無いだろうとあきらめて忘れていました。

ところがあったのです。
かなり年数がたって(40歳を過ぎて)から、あるグループで登る機会があって登ってみると気分は爽快、頂上は最高、味を覚えました。
それからは、当時小学生だった息子を連れて(親子交流を兼ねて)、機会を見つけては道内の山に登りました。恵庭岳・羊蹄山(蝦夷富士)・利尻富士・雌阿寒岳・札幌岳・・・などなど。道内には、○○富士という山がけっこうあるんだと思って、そこで道内の○○富士を制覇して本物の富士山に登ろうと決心しました。

結局、○○富士の制覇はいまだ未完ですが、当時、時期的に夏の休暇が近づいたこともあり、富士登山を決行すべく道内から出発する富士山登山ツアーに息子と二人で申し込みました。ところが、出発直前になって、ツアーの募集人員が定員に満たないためということで、欠行になりました。それが、平成10年のことでした。残念・・・。

この次は、自分で計画して行こうと思いましたが、この年明けに転勤。
それからときは過ぎて数年後、東京へ単身赴任をしていた頃でした。何かのパンフレットで富士山がきれいに写っている写真を見つけました。話を聞くと鍋割山だということで、早速次の日曜日に鍋割山へ富士山を見に行きました。単身のときなので、時間はたっぷりあります。
この頃は、前年にホノルルマラソンを走って、次は何をしようかと考えていた頃。また、体力的にも充実していたので、いよいよ富士山に登ろうと決めました。
時期は、その年の山開きをまって、その次の日曜日に。
調べてみると新宿から5合目までバスが出ているらしい。
さっそく、1ヶ月前に往復のバスの予約を入れました。後は、登るだけです。
それまでに荷物を背負って階段のぼりなどをして足腰を鍛えました。行程が長いので、食料と水は多めに準備しました。

さて出発です。天気は良好。
平成16年712日(土)午後7時10分発、新宿西口バスターミナルから、富士山5合目行きバスに乗る。バスに乗ってしばらく仮眠。今夜は眠れない。
午後10時頃ほぼ定刻どおりに富士山5合目バスターミナルに到着。バスを降りるとあたりは真っ暗。ターミナルの照明が明るい。ターミナルに入って、富士山登山用の杖を買って登山口の方向へ進む。大勢の登山者がぞろぞろと歩いていく方向へついていく。
ターミナルを出て真っ暗な道を、大勢の人の流れに乗って歩き始める。人の流れは4人分くらい横に広がって進んでいる。前の人についていくしかない。足元は見えない。
ふと、頂上のほうへ目をやる。すると、真っ暗なところに、登山ランプの光だけがジグザグに頂上まで列になってつながっているのが見えて印象的。
写真を撮ろうと思ってカメラを向けたが暗くて写らない。残念。

5合目からの歩き始めはほとんど平らな道のりで、2時間ぐらい続く。
歩くペースは50分に10分の休憩。

6合目あたりからは徐々にのぼりの傾斜がきつくなってきていて、道幅も2人が並んで歩ける程度になってきている。
人の流れも徐々に隙間ができてきている。歩幅は通常の半分くらい。
体力を温存しながらゆっくりとしたペースで歩く。周りの人は気にせずマイペースを守る。

7合目あたりから大きな岩場の急な登りになってきた。
ところどころに鎖の補助がついていたりしてきつい登りが続く。

8合目あたりから、霧雨が降ってきた。雲の中に入ったのかな。
体がぬれてくるので、レインコートを着て歩く。
中は汗びっしょりで、外からも濡れて、びしょびしょで歩く。
この辺は山小屋があちこちに建っている。山小屋の明かりが漏れている。
ツアーで来ると、このあたりで仮眠休憩になるのかと思いつつ、先へ進む
少し空気が薄くなってきたような気がする。
3000メートルを超えるとさすがに今までと感じが違う。

9合目を過ぎてあと一息と思っても、まだまだ厳しいのぼりが続く。
頂上の方向が見えてきた。もう少し。でも歩幅は小さく少しづつしか進まない。
人の流れはまばらだ。

頂上付近にいる人が見えてきた。・・・・・
日の出の時刻だ。太陽が昇って来た。・・・頂上に到着。・・・・・

一息ついたら、下り。明るいので足元を見ながらゆっくり進む。下りは、途中から登りとは別のコースで下る。下りコースに入ると火山灰の道で道幅も広く歩きやすくなったので小走りで先へ進む。ツアーの団体と思しきグループを何組も抜いていく。下りは早い。日差しが強い。登りのときにこの日差しは厳しいなと思いつつ先へ進む。朝の9時半頃に5号目に付いた。登りの半分くらいの時間だった。
一気に力が抜けて平地を歩くのがつらい。やっとのことで休憩所に到着。
しばらく仮眠・・・・・・・。

軽く食事をとってバスターミナルへ。窓口には長い行列が出来ていた。まいったと思いつつ近づいて行くと予約をしていない人の列のようだったので安心。予約をしていたので予定通りバスに乗車して帰路に着いた。
       
     富士山頂上から見る日の出(平成16.7.12) 
     
                                 PM事業部 小山